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2005/10/29 感想を書きました。


「データで検証!地球の資源ウソ・ホント エネルギー、食糧から水資源まで」井田哲治 講談社 ブルーバックス 2001年 1月20日発行

資源や環境のことが気になる、といっても普段、ときどきテレビ番組や雑誌の記事を見て、ああ、大変だなあと思うだけ。なんとかしないといけないんだろうなあ、とは思うのだけど、具体的にどうするか。テレビ番組や雑誌の記事は訴求力はあるけど、断片的である。もっと、まとまった情報、どういう問題があってどんな状況なのか。概観が出来て、次にいろんな情報を得たり、判断したりするきっかけになる基本的な資料が欲しい。もちろん、今ではネット上にもいろいろなページがあるんだろうけど、そのネットのいろいろなページを見て、そのページがどうようなものなのか、webの検索で出て来たとして、見に行くようなページか、ブックマークをつけてくり返し訪れるに足るものなのか判断するための基礎的な知識を得たい。しかも、こういう問題になると、いろんな人がいろんなことを言っているのだろうから、なるたけ客観性があって、何か特別な政治的宗教的な考え方のようなものに染まってない、科学的な立場からの解説書。そういう条件に合っていると思うのが、この「データで検証!地球の資源ウソ・ホント エネルギー、食糧から水資源まで」だ。

書いた人、共同通信社科学部記者で国際的な取材活動を続けている人。もちろん、そういう立場の人だといって、書いてることがすべて正しいとは限らないが、ある程度の信頼性は期待できる。出版された年。2001年の初頭だから、それほど内容的に古くもない。講談社のブルーバックスという、大出版社の有名なシリーズの一冊である。値段的にも手頃だ。

内容は 1. エネルギーと原子力 2.自然を利用したエネルギー 3. 危機に瀕する水資源 4. 食糧の未来 5. 減少目立つ水産資源 6. 森林資源の今日と明日 7. 鉱物資源 の 7章からなる。そのうち、1章と 2章が全体の半分ほどを占める。原子力のような危険なものをいつまで使い続けるのだろうと思っていたが、世界的にやはり原子力はもう流行らないものになっていることを再認した。一方で、いろいろな環境に配慮した新エネルギーが開発されていっていることに希望を覚えた。ふだん、あまり気にすることはないけど、世界的に見て、水資源の枯渇、農業用や飲料用、生活用の水不足を心配しなければならないことも教えられた。読んで、確かにそれほど読んで面白い本とは言えないけど、現代を生きる私の必携の本として、手元に置いて、長く事典的に使いたい本だ。

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